地域密着ワイナリーの経営変革

熊本の大地から、世界品質のワインを。
― 「未来の畑を、今、耕す」中期経営計画の裏側

熊本ワインファーム株式会社様の事例
1999年に熊本で設立された熊本ワインファーム株式会社は、熊本市と山鹿市に2つのワイナリーを構え、自社産のシャルドネを中心に世界品質のワインを手がけてきました。国内外のコンクールでも高い評価を受け、特に代表銘柄「菊鹿シャルドネ」は“入手困難酒”とも言われるほど。

しかし、ワインへの関心が高まる一方で、農家の高齢化や人手不足、原産地表示制度の厳格化といった課題が徐々に表面化。経営体制の若返りに合わせて、今後の経営環境変化に対応した新たなビジョンと経営計画を作成し、実行することとなった。

導入の背景と課題

・経営体制の若返りもあり、次への成長戦略が必要となっていた
・原料ぶどうの安定供給が難しくなっている(農地・苗木・働き手の不足)
・原産地表示制度の厳格化により、ブランド設計の再構築が必要に
・ECや直営店舗での売上強化、顧客体験価値の向上が求められる
・経営環境が変わる中で、各部門で課題感がバラバラ。戦略の共通認識が必要だった

導入後の変化

・中期経営計画の策定により、ビジョンと戦略が明文化・共有された
・各部門で具体的なアクションプランを実行に移し、PDCAが回りはじめた
・利益の拡大や売上構成の変化など、数字にも成果が表れはじめた
・社員の自発性が高まり、風土として“動く組織”へシフト

経営者インタビュー:幸山賢一様

Q:支援を受けるにあたり、どのような状況でどのような不安を抱えていましたか?経営経験ゼロからの事業承継だったが、
経営のやるべきことが明確に

職人として現場のことは分かっていましたが、経営の教育や経験がないまま突然会社を任されることになり、どこから手をつければよいのか分からず、不安ばかりが募っていました。そんな中でエイドリームコンサルティングが構想段階から伴走してくださり、戦略の立案から実行まで一緒に進めていただきました。机上の理論ではなく、日々の業務を通じて“どう考え、どう判断すべきか”を一つずつ整理していく支援はとても大きく、結果的に経営課題を分解して全体を見渡せるようになり、意思決定にも自信が持てるようになったと感じています。
経営のモチベーションを維持しながら、少しずつ自分なりに全体像を描けるようになったのも大きな変化です。伴走してもらえる安心感があったからこそ、迷いながらも前に進めました。

Q:コンサルティングに対して、どのような懸念を持っていましたか?計画が実務に落ちない不安があったが、
現場密着で成果につながるように

一般的には『コンサルティングは高額なのに実務に役立たないのでは』という懸念を耳にしますが、私たちの場合はもともと気心が知れていたので、その不安はありませんでした。むしろ内部の状況までしっかり把握してくれていたので、安心して任せられたんです。
月2回の訪問を重ね、現場に深く入り込みながら社員と一緒に戦略を練り、その実行段階まで伴走していただきました。計画を机上のものに終わらせず実務に落とし込むことで、単なるアドバイスにとどまらず、具体的な施策が形になり、現場で成果が見えるようになりました。この密着支援によって1年間のPDCAサイクルが驚くほどスムーズに回り始めています。
現場に密着して動いてくれるからこそ、投資対効果を実感できています。机上の空論で終わらず、実務につながる支援はありがたいですね。

Q:市場の変化や業界環境に対して、どのような不安を抱えていましたか?業界の常識にとらわれて先が見えなかったが、
市場目線の戦略で成長の方向性が定まる

専門性の高いワインづくりには自信がありましたが、『良いものを作れば売れる』という発想にとどまっていて、市場の変化に十分対応できていませんでした。業界内の情報だけに頼っていると、将来の方向性が見えず“井の中の蛙”になってしまうのではという不安もありました。
エイドリームコンサルティングは、業界外の知見やグローバルな視点を取り入れ、ブランド再構築や商品ポートフォリオの整理、販路開拓などを支援してくださいました。内向きになりがちな思考を、市場や顧客の目線へと切り替えることができたんです。
その結果、『造れば売れる』という発想から脱却し、『市場に選ばれるブランドを育てる』という経営視点が定着しました。成長の方向性が具体化し、変化の速い市場にも柔軟に対応できるようになったと感じています。
業界内だけではどうしても視野が狭くなります。外からの視点をもらえることで、市場からどう見られているかを意識できるようになりました。ブランドづくりの重要性を改めて強く感じています。

Q:組織づくりにおいて、どのような課題を感じていましたか?社員が指示待ちで停滞していたが、
自ら考え動く自律型の組織へと変化

社員の多くが『指示を待つ』姿勢にとどまり、自発的に動くことが少なく、部門を超えた協力も見られませんでした。このままでは組織が成長せず、会社全体が回らないのではという危機感がありました。
そこでエイドリームコンサルティングに支援いただき、社員を戦略策定の場に巻き込みながら役割を明確化し、自ら判断して行動できる環境づくりを進めました。月2回の伴走型支援の中で拠点を超えたチーム編成や協働体制が促され、主体的に動ける仕組みが育っていったんです。
その結果、イベント運営では拠点を横断したチームが生まれ、オンラインとリアル店舗を連携させた発信活動も社員主導で回るようになりました。停滞していた組織が、歯車のように自律的に動き出したと感じています。
社員に“考える力”と“実行する力”が育ってきたのを実感しています。少しずつですが、自律型の組織が形になり始め、会社全体の歯車が確かに動き出していると感じます。

Q:品質に自信がある一方で、ブランドや販売の面ではどのような課題がありましたか?高品質な製品づくりに注力していたが、
市場に選ばれるブランド経営へとシフト

良いものを作れば自然と売れる』という発想にとらわれていて、品質には自信があったものの、販売戦略やブランド構築は後手に回っていました。専門性の高い事業ゆえにマーケティングのノウハウも不足しており、それが大きな不安材料になっていたんです。
エイドリームコンサルティングには情報収集と分析を重ねていただき、市場目線でのブランド構築を支援してもらいました。商品ポートフォリオの整理や顧客への伝え方、販路拡大に加え、製造業特有の原価計算や生産管理にまで踏み込んで改善を推進していただきました。
その結果、品質に加えて『市場に選ばれる仕組み』が整い、ブランド力を高める取り組みが加速。単なる製品志向から脱却し、持続的な成長を目指す“経営の投資”へと視点が切り替わったと感じています。
以前は“良いワインさえ作れば大丈夫”と考えていましたが、今は市場目線でブランドを育てる重要性を痛感しています。製造の細部にまで寄り添ってもらえる支援は、確かな投資価値を感じています。

■ 会社情報

熊本ワインファーム株式会社
インタビュー:代表取締役 幸山賢一氏
設立:1999年
所在地:熊本県熊本市・山鹿市
ブランド:「菊鹿ワイナリー」
特長:自社畑で育てたシャルドネを中心に、世界的にも評価される高品質ワインを生産。 フランスの「シャルドネ・デュ・モンド」金賞受賞など受賞歴多数。
プロジェクト名:中期経営計画策定および実行支援プロジェクト
実施期間:6か月(伴走支援を含む)
体制:社長+営業・製造・管理の各取締役による検討チーム/営業部門の現場支援あり
支援内容:現状分析、ワークショップ、計画策定、数値シミュレーション、進捗管理、業務支援
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