ホテル経営の基盤を作る体制作り
-DX導入による業務改革の実行計画策定
株式会社プレジデントハカタ様の事例
1968年創業の株式会社プレジデントハカタは、福岡市内で5棟のホテルを展開し、ビジネスホテルでありながらシティホテル並みのサービスで高い評価を得てきました。
しかし、アフターコロナで宿泊需要が急回復する中、人件費や物価の高騰、人材確保の難しさが重なり、利益率の低下が顕在化。
「高品質なサービスを維持しながら、どう効率化を進めるか」――。
現場の負担軽減と収益性の両立という難題に直面した同社は、デジタルと業務改革による生産性向上に挑みました。
しかし、アフターコロナで宿泊需要が急回復する中、人件費や物価の高騰、人材確保の難しさが重なり、利益率の低下が顕在化。
「高品質なサービスを維持しながら、どう効率化を進めるか」――。
現場の負担軽減と収益性の両立という難題に直面した同社は、デジタルと業務改革による生産性向上に挑みました。
導入の背景と課題
・アフターコロナでの人件費・物価高騰により、収益性が低下。
・採用競争が激化し、スタッフや清掃員の確保が困難に。
・価格以上のサービス提供が続き、高コスト体質を招いていた。
・人手不足により休暇取得が難しく、現場負担と満足度が低下。
・属人化を防ぎ、変化に強い体制づくりへ向けた業務改革が必要に。
・採用競争が激化し、スタッフや清掃員の確保が困難に。
・価格以上のサービス提供が続き、高コスト体質を招いていた。
・人手不足により休暇取得が難しく、現場負担と満足度が低下。
・属人化を防ぎ、変化に強い体制づくりへ向けた業務改革が必要に。
導入後の変化
・収益性が大幅に改善し、経常利益が増加。
・経費削減と業務効率化により、損益分岐点を大きく引き下げた。
・フロント業務の省人化とマルチタスク化で、年間約1,000万円のコスト削減を実現。
・従業員の自発性が向上し、次世代マネージャーの育成につながった。
・業務システムの簡素化により人材の活用の多様化が可能に。マーケティング体制の強化を実現した。
・経費削減と業務効率化により、損益分岐点を大きく引き下げた。
・フロント業務の省人化とマルチタスク化で、年間約1,000万円のコスト削減を実現。
・従業員の自発性が向上し、次世代マネージャーの育成につながった。
・業務システムの簡素化により人材の活用の多様化が可能に。マーケティング体制の強化を実現した。
専務インタビュー:福田順司様
Q:支援を受けるにあたり、どのような状況でどのような不安を抱えていましたか?危機感だけが先行していたが、
盤石な利益体質へ変える具体的な構造改革に着手

私たちはコロナ禍で年間約3億円近い損失を経験し、「死ぬかと思った」ほどの危機感から、無駄な経費削減は徹底的に行いました。しかし、単に経費を削るだけでは、市場の変化に影響されやすい構造は変わりません。そこで、私たちは「何があっても対応できる」ように損益分岐点(固定費)をさらに下げる構造的な改革を目指しました。これが、人件費自体を変えずに生産性を高める「マルチタスク化」の構想が生まれた経緯です。
このマルチタスク化のイメージは当初、私の中では漠然としたもので、それを実現するための具体的なシステム導入や実行計画は描けていませんでした。自社にITの専門知識を持つ人材が不足している状況でしたので、中小企業基盤整備機構に相談し、専門家として来ていただいたのがエイドリームコンサルティングの森下氏でした。
このマルチタスク化のイメージは当初、私の中では漠然としたもので、それを実現するための具体的なシステム導入や実行計画は描けていませんでした。自社にITの専門知識を持つ人材が不足している状況でしたので、中小企業基盤整備機構に相談し、専門家として来ていただいたのがエイドリームコンサルティングの森下氏でした。
Q:プロジェクトを進めるうえでの懸念点はありましたか?
トップダウンで現場の反発を恐れていたが、
若手主導の体制で自発的な行動が誕生
ホテル業の課題として、人手不足や連休が取れないなどの労働環境がありました。効率化を進める際、経営層からのトップダウンでシステムや新しいルールを導入しても、現場の抵抗や反発が生じ、「やっているけど責任は取らない」状態になりがちだと私たちは懸念していました。
そこで、森下氏と相談し、次世代のマネージャー層(支配人ではなく、その下の若手マネージャー層)がプロジェクトを主導する体制をとることにしました。森下氏は、ファシリテーターとして現場に入ってくださり、「教える」のではなく、本人たちからアイデアを出させる手法を取ってくれました。
理屈だけでなく感情的なところにも触れることで、意見を言いやすい環境が作られ、マネージャーたちは現場でつまづいている細かい箇所(20~30項目)を自発的に洗い出してくれました。
そこで、森下氏と相談し、次世代のマネージャー層(支配人ではなく、その下の若手マネージャー層)がプロジェクトを主導する体制をとることにしました。森下氏は、ファシリテーターとして現場に入ってくださり、「教える」のではなく、本人たちからアイデアを出させる手法を取ってくれました。
理屈だけでなく感情的なところにも触れることで、意見を言いやすい環境が作られ、マネージャーたちは現場でつまづいている細かい箇所(20~30項目)を自発的に洗い出してくれました。

この課題に対し、戦略、業務、ITを一体で捉えるアプローチで、特定のITベンダーに縛られない専門的な立場から、自動チェックイン機や送迎時のインカムシステム、動画マニュアル化など、マルチタスク化に必要な具体的なITツールの選定と導入をサポートしてくださいました
画一的なコンサルではなく、ホテルごとの客層の違いを考慮し、「有人サービスを大切にすべき箇所」と「システム化すべき箇所」を明確に切り分けるといった、弊社の実業への深い理解をした上でのアドバイスは非常に有難かったです。これにより、現場の業務フローにフィットするシステム設計となり、「使われないITツール」で終わる失敗を防げたと感じています。
自分たちが出した課題やアイデアが形となって具現化するという経験を体験し、自発的な行動が生まれるという、従業員満足度(ES)を上げながらの変革が実現したと感じています。
画一的なコンサルではなく、ホテルごとの客層の違いを考慮し、「有人サービスを大切にすべき箇所」と「システム化すべき箇所」を明確に切り分けるといった、弊社の実業への深い理解をした上でのアドバイスは非常に有難かったです。これにより、現場の業務フローにフィットするシステム設計となり、「使われないITツール」で終わる失敗を防げたと感じています。
自分たちが出した課題やアイデアが形となって具現化するという経験を体験し、自発的な行動が生まれるという、従業員満足度(ES)を上げながらの変革が実現したと感じています。
Q:プロジェクトを経て、大きな変化はありましたか?未来の売上に繋がる「攻めの体制」の実現に

約10か月のプロジェクトを実施し、構造的な改革の結果として、具体的な財務効果が現れました。フロント業務の省人化とマルチタスク化の仕組みを構築した結果、人件費自体を変えずに、客室清掃や朝食対応などのアルバイト人件費、客室清掃費などの経費を削減することに成功。これにより、年間で1,000万円を超えるコスト削減(利益増加)が実現し、今回のシステム導入に掛かる費用もすぐに回収できるほどの成果となりました。
この仕組みは、コロナ禍が明けてインバウンドが回復した現在、グっと利益が出やすい体質となって当社で活きています。また、単発の改善ではなく、未来の売り上げに繋がる攻めの体制のベースが構築されたことが最大の成果だと確信しています。
そして業務がシンプルで実施しやすい仕組みとなったことで、外国籍スタッフの雇用も可能になり、雇用の幅も広がったと実感しています。
この仕組みは、コロナ禍が明けてインバウンドが回復した現在、グっと利益が出やすい体質となって当社で活きています。また、単発の改善ではなく、未来の売り上げに繋がる攻めの体制のベースが構築されたことが最大の成果だと確信しています。
そして業務がシンプルで実施しやすい仕組みとなったことで、外国籍スタッフの雇用も可能になり、雇用の幅も広がったと実感しています。
Q:財務成果を超えて、プロジェクトがもたらした最大の財産は何でしょうか?業務効率化が目的だったが、
社員の未来を示す「成長する組織文化」の構築に
プロジェクトを始めた最大の目的は業務効率化と財務改善でしたが、結果的に得られた最大の財産は、社員の自発的な成長でした。以前は指示待ちの姿勢が強かったマネージャー層が、プロジェクト後は積極的に意見を言ってくれるようになり、新しい財産が組織に生まれたと私は強く感じています。
サポートしてくださった森下氏は、私どもの理念である「個人の成長を大事にする」という点に寄り添い、変革を指導するのではなく、サポートしながら導いてくれるスタンスでした。マネージャー層をプロジェクトの主導者に据えていただいたことで、彼らが「自分ごと」として課題に取り組み、自律的に(指示待ちの姿勢なく)解決策を追求する経験を積めた結果だと思います。
サポートしてくださった森下氏は、私どもの理念である「個人の成長を大事にする」という点に寄り添い、変革を指導するのではなく、サポートしながら導いてくれるスタンスでした。マネージャー層をプロジェクトの主導者に据えていただいたことで、彼らが「自分ごと」として課題に取り組み、自律的に(指示待ちの姿勢なく)解決策を追求する経験を積めた結果だと思います。
さらに、業務が効率化され省人化が進んだ結果、時間的余裕が生まれ、現場業務から離れてマーケティング専任や施設管理といった新しいキャリアパスの道筋を社員に示せるようになりました。これは、離職リスクの軽減にもつながる、持続的な成長のための組織文化の強化となったと確信しています。
弊社の新たな取り組みとして新しいホテルの建設も始まっています。これから10年、20年とさらに発展させていきたいと思っているので、その過程でまた相談させてもらいたいと思います。
弊社の新たな取り組みとして新しいホテルの建設も始まっています。これから10年、20年とさらに発展させていきたいと思っているので、その過程でまた相談させてもらいたいと思います。
■ 会社情報
株式会社プレジデントハカタ

インタビュー:専務取締役 福田順司氏
設立:1968年
所在地:福岡県福岡市博多区
ブランド:
《ホテル事業》プレジデントホテル博多、プレジデントホテルアネックス、ホテル ラ フォレスタ、ホテルサードプレイス博多、ホテルサードプレイス博多アネックス
《飲食事業》和創作呑処 緩音(飲食)、PITBULL BROTHERS
《駐車場事業》友杉立体駐車場
設立:1968年
所在地:福岡県福岡市博多区
ブランド:
《ホテル事業》プレジデントホテル博多、プレジデントホテルアネックス、ホテル ラ フォレスタ、ホテルサードプレイス博多、ホテルサードプレイス博多アネックス
《飲食事業》和創作呑処 緩音(飲食)、PITBULL BROTHERS
《駐車場事業》友杉立体駐車場